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体験学習に訪れた生徒さんたちに指導する大沢順一さん
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今年も全国から体験学習の中高生が… |
大沢産の作業場には、今年もすでに15校もの中高生の体験学習の申し込みがありました。修学旅行を利用しての宮城・山形・京都・三重・愛知など全国から中高生が訪れて、熱心に大沢さんの竹細工を見学し、竹籠作り〈一部)などを体験していきます。
「自分で竹細工をやってみたいと希望してくる学生さんだから、熱心だし2時間程度でもなんとかコースターの大きさ程度は編めるようになってもらえますよ。同じ学校から何度も体験学習の依頼があるので、私も少しはお役に立ってるのかな?」と話す大沢さんです。
子どものころから器用だった?
いやいや学校の図工の成績は、ひどいものだったんだね。むしろ不器用なほうだったね。
もっと美しくできないか?竹の素材を活かせないか?その場所にあった形が作れないか?と工夫すること、他の分野の民芸品などを観察すること、そして、実際に試してみることなんだね。この年になっても常に勉強だね。そういう意味では若い学生さんと話すことは、時には新鮮な発見もあって楽しいものだよ…
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大沢順一さんは、60年近く一筋に竹細工芸を守り継ぎ、伝統に創意を加え、使う人に満足、うるおいを感じてもらえるよう心を込めて制作しています。
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照明器具〈電気のかさ、スタンド)などを専門としていましたが、旅館や、書道・茶道の会合でのオブジェなどの依頼にも実際の場所を実見してその雰囲気・味わいを活かす作品の制作を心がけてきました。
菱目・篭目、市松等伝統的な竹編み技法にとどまらず、常に竹〈あるいは藤)の素材を活かしつつ、その使われる場所に応じた編み方はないか工夫し、60種近くにまで増やしてきました。
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「一つひとつが、オリジナルというか、一生に1度しか作らないようなオブジェの制作も多いから、常に勉強というか工夫してかないとね」と語る大沢さんです。
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後継者は…? |
「残念だけど難しいよね。簡単なものなら、プラスチックなどに取って代わられてるからね。素材の竹の扱いや編み方だけでも相当な修行期間が必要になるしね。細かい作業に必要な特殊な『ナイフ』等の道具を作っている人も年々いなくなってきてるしね。
なんとか、竹細工など伝統工芸の味わいを理解してくれる人々に、竹細工の新しい用途を考え、広めていかなくてはとは考えていますが…と語る大沢さんです。 |
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