2012年 04月 01号 2     last update 12.04.20
   
  

    『靴・ものづくり工房』を契機に

 

    『モノづくり民商』としての発展を

 

      第3支部 佐藤 正男

 

「民商だより」4・5月号に、06年に開設された民商会館3・4Fの「靴ものづくり共同作業所」の特集が掲載されました。この「共同作業所」を提案・プロデュースした者としてその意義と今後の方向性について私見を述べさせていただきます。

 かつて(業界の創生期から革靴輸入自由化問題の時期まで)浅草民商は、他の製靴関係労組などの民主団体とともに地場産業である靴業界から信頼され一定の影響力も持っていました。浅草民商の『共同作業所』が画期となり、行政の援助を受けた『浅草ものづくり工房』(橋場)の誕生や製靴会社の同種の『作業所』への参入も始まりました。またこの浅草民商の『共同作業所』はマスコミでも話題になり、地元の小学校の社会科見学の対象にもなるなど地域活性化へ少なくない貢献をしてきました。

 しかし不況と高齢化の進行に加えて安価な外国製の靴の大量輸入により靴業界全体が陥没し、街は活気を失って来ました。また浅草民商も高齢化と有効な運動方針を打ち出せなかったため、業界・地域への影響力を落としてきました。

 一方で、毎年数百人の『モノづくりとしての靴作り』を志向する新しい世代が業界への参入をめざしていますが、業界の現状もありその未来は必ずしも明るいとは言い得ない現状です。地場産業・地域活性化のためにも、若い人たちが意欲をなくすことがないよう私たちが支援していかなければと思います。しかし「若い世代を支援する」ということは「一方的に」支援を押しつけることではなく、彼ら若い世代の「新しい感性や情熱」から私たちがどれだけ学び、若い世代と共に業界の近代化、地域のあり方について考え、どのような運動の方向性を示していくのかという課題を克服していくことだと思います。

 若い彼らは『感性やモノづくりの考え方』が私たちと異なるように思えることもあります。また各自のめざす方向性も異なっていたり、相互に『ライバル』だったり『無関係』に見えたりして、共同して運動することにしり込みすることもあります。しかし考えてみれば私たちが運動に参加し始めたときも同じようなものでした。そのことを忘れて「俺の若いころは・・・」というのではなく、相互に学びあうことから始めるべきだと思います。新しい発展段階での苦労はありますが、『残り少ない業界人生』をかけて地域・業界の活性化に新しい時代を切り開くために、『モノづくり民商』の真価を問われる運動に取り組んでいきたいと思っています

 

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  6月8日 JCOMテレビのインタビューを受ける