2012年 05月 01号     last update 12.05.17
   


 4月号に続いて商工会館3・4Fの「靴ものづくり共同作業所」の特集です。

 この「共同作業所」の出身(「卒業生」)の中には、型紙(パターンプランナー)として高い技術をもち、何度もイタリアでも仕事をしている人もいます。
 5月18日(金)には、「共同作業所」の「卒業生」も含めた交流、情報交換のために『懇親会』が開かれます。
 
「共同作業所」には、専門学校などを通じて、入居希望者からの問い合わせがあります。この「共同作業所」は、新たな地場産業の担い手たちを支援する『共同作業所』の先駆けとなったからです。

 台東区の肝いりで橋場に作られた、『浅草ものづくり工房』も、設備や使用料(家賃)をこの「共同作業所」を参考にしています。
 ※『浅草ものづくり工房』…今年も4月26日〜30日に墨田公園リバーサイドギャラリーで開かれた「モノステージ5」の開催の中心になています。

 また、今年にはいってから、商工会館の近所には、自らの工場を新しい靴作りをめざす若者などに『共同工房』として提供(貸し出す)を始めた、製靴メーカーも出現しました。

 「地場産業の復興は地域経済の再生に不可欠です。次代を担う世代への引き続きの支援とデフレ不況打開への運動を民商としても強めていかなくては」と語るのは、佐藤正男副会長です。(MONOステージ5の会場で)
 

 伝統の技を守って64年 
        揮毫の「大嶋屋」 水野 繁夫さん

 「この時期(お祭りからお盆を迎える時期)はね、忙しいんだよ」と仕事の手を休めないで語る、水野繁夫さんは、享保年間以来の揮毫の大嶋屋(土手大嶋屋)の八代目です。
 昭和23年からこの地で、揮毫業を営んでいます。揮毫とは、提灯に字を書く仕事です。商用・記念品としての贈答用
(誕生日・結婚式など)などはもちろん浅草という土地柄お祭りには欠かせない提灯を美しい江戸文字で心を込めて作り上げていきます。

  「江戸文字はね、こうやって(輪郭を丁寧に描きながら)から、筆で塗りつぶしていくんだよ」と下書きなしに見事な技をみせてくれます。伝統的な「高張り提灯」、「弓張り提灯」、「軒提灯」、「懐中提灯」などにまじって、『ピカチュウ』の提灯などもありました。

  1995年に台東区優秀技能賞受賞(1955年)を受賞するなど、その技に定評があるだけでなく、俳句は、毎月のように「全国商工新聞」に入選するなど、趣味の領域を越えている水野さんです。
  
大嶋屋 東京都台東区東浅草1-14-7
   
TEL 03 (398726568

 
 
 
アンデパンダン展にも出品!
 小池秀郎さんの50代からの
絵画への挑戦
 
MONOステージ5に参加し、
新しい共同の道を探る佐藤副会長
 

水野繁夫さん1

お祭りの提灯に文字入れする水野さん


水野さんの揮毫した提灯

店先に並ぶ提灯