戦後の浅草の歴史とともに働いて 上村 猛さん 食堂(芳野屋)
花やしきの隣の食堂、芳野屋の上村さんはいいます。「戦後浅草に食堂が2軒しかなかったときからここで営業してるんだよ。(店は親の代から)店から富士山が見えたもんだ。米、麦も統制で扱えないから、売るものは芋しかなくてね」と。
いつもお客さんに喜ばれるものを提供するための努力―アイデアと工夫―に心を傾けてきました。例えば、芳野屋の≪秘伝≫の自家製かき氷のシロップは、味がすっきりとおいしいだけでなく、食べた後、舌に(氷イチゴの赤などの)色が残りにくいので、お客さんに好評なのです。、他のかき氷業者からも「ぜひ、ウチの分も作ってもらえないか」と頼みにきます。
「でも、古いなじみのお客さんは年を経るごとに少なくなってきてね」と最近の「斜陽の浅草」には、少しだけ寂しそうでした。
今日も奥さんととともに元気に伝統の味を守っています。
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