2011年 11月 01号     last update 11.11.05
   


9月17〜18日、さいたま市で開かれた第17回全国商工交流・研究集会に参加してきました。

1日目の全体会議とパネルディスカッションでは、とくにTPPが農業だけでなく中小商工業に深刻な打撃を与えることなること、そして東北大震災からの復興に果たすべき業者の役割などが具体的に話し合われました。

 2日目は「ものづくり」の分科会に参加しました。私は 1)グローバル化の進行の中で、黙っていてはつぶされること、2)震災からの復興及び地域経済の再生にに取り組むにも、消費者のニーズをつかんだ、「ものづくり」のアイデア・技術を生かしてこそ前進すること、3)そのためには、地域から「ものづくり」を支える中小業者の技術・創意・経験を学び合い、広げていくことがより大切になるなと考えていました。

 そんなとき突然、進行係から指名を受け、現在開発中のシリコンパイプ入りのインソールの開発経過について発言するように求められました。
これは、平塚民商会員の高橋長七さん(電気工事業)が仕事での必要から考案された靴の中が蒸れない、足の疲れを防止するインソールで、私が高橋さんの依頼で設計・製品化を目指しているものです。

 会議の休憩中に見せるために持って行った、製品をその場で販売することになりビックリしましたが、好評でした。
また、そのことが発端になり、11月6日、神商連の神奈川商工交流会からも出店要請がありました。現在は、そのための製品づくりで忙しくなりました。

しかし、これも「ものづくり」からの地域再生の試みの1つなので、がんばっていきます。  佐藤 正男 (サト企画

 
「昭和の匠」今に輝く

5支部田中義男さんです。
アンチモニーの職人として16歳で2代目として親の家業をつぎました。30年使い慣れた釜の前で、鋳型に解けた材料を入れる時の顔は真剣で、商品は多彩です。トロフィーや茶托襖の取っ手、医療用特殊商品、節句の兜など芸術品から家庭用まで幅広です。

 思い出の一品を見せて頂きました。日本一のめっき職人とのコラボで「馬の置物」技法はギンブローといってまさに芸術品です。今にも動きそうな躍動感と銀の渋さが絶品です。52歳で台東区技能者賞を獲得しました。

 お客さんとのやり取りも独特です。普通は職人さんが材料費を持つことはしませんが、田中さんは違います。 お客さんと信頼関係を深めるため、田中さん持ちで仕事を進めます。たまには相手が儲けてから集金なんてこともあったそうです。

 昨年、同業組合の会長を引き受けられて意気盛んです。現代に輝く昭和の名工浅民にあり。田中さんは言います、「政治が悪くなって商売も悪くなった」と。  (文責黒岩)

 
 
 
 
17回全国商工交流会で佐藤さん
 

 新開発の中敷

 

第2回台東商工交流会での田中さん

 

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