「昭和の匠」今に輝く
第5支部田中義男さんです。 アンチモニーの職人として16歳で2代目として親の家業をつぎました。30年使い慣れた釜の前で、鋳型に解けた材料を入れる時の顔は真剣で、商品は多彩です。トロフィーや茶托襖の取っ手、医療用特殊商品、節句の兜など芸術品から家庭用まで幅広です。
思い出の一品を見せて頂きました。日本一のめっき職人とのコラボで「馬の置物」技法はギンブローといってまさに芸術品です。今にも動きそうな躍動感と銀の渋さが絶品です。52歳で台東区技能者賞を獲得しました。
お客さんとのやり取りも独特です。普通は職人さんが材料費を持つことはしませんが、田中さんは違います。
お客さんと信頼関係を深めるため、田中さん持ちで仕事を進めます。たまには相手が儲けてから集金なんてこともあったそうです。
昨年、同業組合の会長を引き受けられて意気盛んです。現代に輝く昭和の名工浅民にあり。田中さんは言います、「政治が悪くなって商売も悪くなった」と。 (文責黒岩)
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